KITAKYUSYU GATHERING

福岡県北九州市にて、指導者研修会とこども向けワークショップを開催!

平成26年3月21日・22日、九州ヒューマンメディア創造センター(以下HMC)のみなさんとの協動により、小型コンピューター「ラズベリーパイ」を活用した指導者研修会とこども向けワークショップを開催しました。福岡県の大学の先生方、シニアのみなさん、教育関連団体・企業のみなさんなど、様々な年齢・立場の方々にご参加をいただきました。

日時
平成26年3月21日(土)・22日(日)
会場
西日本工業大学
対象
研修会:教育関係者など一般/ワークショップ:小学4年生以上
内容
3月21日:13時~15時 指導者研修会/16時~18時 交流会 3月22日:10時~15時 こども向けワークショップ

こどもはすごい。
大人がうかうかしていられない!

今回のGATHERINGイベントをきっかけにHMCのみなさんが目指すのは、北九州で「デジタルクリエイティブファブコミュニティ」をつくっていくこと。こどもも大人も、より多くの人が気軽に体験できる「ワークショップ」、地域のクリエイターの発信・交流の場所である「MONOCAFE」、こどもにとってもおとなにとっても目指すゴールとなる「デジタルクリエイターコンテスト」、この三つの活動を軸として、地域でデジタルものづくりをキーワードとしたコミュニティを形成していくことを目指しているといいます。そのきっかけとして、一緒にGATHERINGイベントを開催しました。

ご参加いただいた方々は、県内の大学教授、シニアの方々、教育関連団体など様々な立場のみなさん。特徴的なことは、クリエイターやアーティストとして現役で活躍されている大学の先生方が多かったり、アクティブに活動するシニアの方々やプログラマーの方々も多くいらっしゃったり、実践者の方々が多く集まったこと。

そんな方々と、研修会の後にこども向けワークショップを開催しました。参加者の方々からは、こどもたちの飲み込みのはやさやアイデアの豊かさに感動する声がたくさん。「大人がうかうかしていられない!」という声を多くいただきました。

広がるプログラミング学習

今回のGATHERINGイベント終了後、あちこちから継続的な取り組みの報告をいただきました。例えば、ご参加いただいたシニアのみなさんが集まって、独自でラズべりーパイ勉強会を開いているそうです。ゆくゆくは児童館などでのワークショップなどを目指しているとか。「年寄りもだまっていられない!」という気持ちで、いろいろな書籍を参考にしながらみなさんでスクラッチを中心とした勉強会を開催しているそうです。

そして、この夏にはHMCのみなさんと大学の先生方との連携で、PEGの一環としてのイベントが開催されます。「子どもデジタル工作教室」として、8月18日に西日本工業大学を会場として4種類のワークショップが開催されるとのこと。ラズベリーパイを使ったワークショップをはじめ、レーザーカッターなど大学の専門的な機材を活用した様々なワークショップが開催されます。

 

このような北九州での取り組みを主体となって行っているのは、HMCの山口幸志さん。上記の大学の先生方との連携イベントも、先生方に積極的に働きかけて取り組みはじめていたり、シニアの方々の勉強会にも参加していたり、日々地域を走り回っている様子の山口さん。

そんな自身の仕事の様子を、「どうせなら楽しく続いてくほうがいいんで、いろいろ言ってかきまわしてるんです。ただほっとくと、こういう地方の活動は固まっちゃうので。」と軽やかに笑う様子が印象的な山口さんに、いろいろとお話を伺いました。

-今回、こども向けの取り組みをしようと思ったきっかけはなんですか?

もともと、地域のクリエイターの発信・交流の場所である「MONOCAFE」をはじめ、どちらかというと大人向けの取り組みを主に実施してこられたHMCの山口さん。こども向けの取り組みを始めようと思ったきっかけはどんなことだったのでしょうか。

「昨年のMONOCAFEを行っていたとき、たまたまとなりで家族連れで賑わうフリーマーケットを行っていたんです。それもあって、予想以上にこどもたちが来場してくれて、とても反応が良かったんです。それを見ていて、今のこどもたちはもしかしたら与えられたゲームで遊ぶばかりで、“ものをつくる“という体験や、もしくは“なにかを自分でつくることができるんだ”という感覚を知らないのでは?と。せっかくクリエイターや大学の集まる北九州だからこそできるこども向けの取り組みができればと思いPEGとの連携をはじめました。」
-地域の大学の先生方との連携がうまく行く秘訣はありますか?
「連携している大学の先生方は、みんなクリエイターなんです。MONOCAFEに出展したり、PEGの研修会に参加することで、こどもたちに自分たちのいろいろなリソースを還元していくことに楽しさを感じてもらえたことが大きい。“先生”というよりひとりの“クリエイター”として接していることも大切かもしれない。ただ、“教えたい!”“先生になる!”という意識だけの人はだめで、すごい!と思われるものを自分自身でつくれないとこういうことは楽しく続けていけない。」
-山口さんご自身や、関わってくれる方々のモチベーションってなんなのか?
「受験に有利だから・親に言われたからやるこどもたち、ではなく、自分が楽しいと思ってなにかに取り組みこどもたちを増やしていきたい。楽しんでる大人を見せていきたい。それは関わってくれている大学の先生やシニアのみなさんも同じなのではないか。」
-今後北九州で行っていきたいことはどんなことですか?
「今行っているいくつかのワークショップなどのノウハウを公開して、もっといろいろな人がワークショップをできるようになればいいなと思う。あとは、北九州の企業が、地域のためのクラウドファンディング
をはじめたので、その仕組みを使ってこどもたちと製品開発ワークショップのようなことをできればと。」

おわりに

3月のイベント後も、様々な広がりのあるKITAKYUSYU GATHERING。3Dプリンターやレーザーカッターなどの、大学の専門的な機材とラズベリーパイやスクラッチを組み合わせた体験を提供していきたいです。

  • 今回の会場には、二つのモニターの間に補助モニターが。
    目の前でわかりやすく組立手順がわかります。

  • ラズベリーパイ起動後は、スクラッチ入門。
    はじめてスクラッチを体験する方々もいらっしゃる中、
    まずは基本的なゲームづくりからスタートです。

  • GPIOを活かして、LEDの点滅・点灯をスクラッチから行います。

  • 今回のGATHERINGイベントは、福岡各地の様々な大学の先生
    にもたくさんご参加いただきました。
    大学にある3Dプリンターなどを活用したこども向けワークショップも実現するかも!?

  • こどもたちもラズベリーパイに興味津々。
    みんなでまずはじっくり観察。

  • こども向けワークショップでも、まずはスクラッチを使った簡単なゲームづくり。

  • ねずみの予想外の大きさに、会場には大きな笑い声が!

  • 「もっとこうしたい!」「こういう風にするにはどうしたらいいかな?」
    と、ゲームをおもしろくするためのアイデアがどんどん浮かんできます。

  • 背景を変更したり、キャラクターを変えたり、どんどんオリジナルのゲームにしていきます。

  • ラズベリーパイにつなげたジャンパワイヤーの金属部分をくっつけて
    、電気が通っていることを確認。

  • アルミテープとダンボールを使って、ゲームコントローラーを作成中。

  • 今回は、紙コップや紙皿、大きなダンボールなどいろいろな素材を用意して
    自分だけのゲームコントローラーをつくりました。

  • つくりたい作品の計画図を書く子も。様々な工夫に溢れています。

  • きちんと操作ができるようにするために、入念にチェック中。

  • ワークショップ終了!ヒューマンメディアの山口さんから修了証をいただきました。

  • 最後にはみんなで集合写真!研修会にご参加いただいたメンバーと、こどもたちと、記念にパシャリ。

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