トークタイム!
「ラズベリーパイってどうですか?」
今回のGATHERINGイベントでは、実際にラズベリーパイとスクラッチの研修会を行ったあと、先生方とPEGを交えてのトークセッションを行いました。今回は、このときに出たいくつかの気になるトピックについてご紹介!
まずは、「もしラズベリーパイを学校に導入するなら!?」というテーマについて。4つのグループにわかれて、ラズベリーパイの学校での活用アイデアについて考えました。
学校での活用アイデアその1
被災地の学校での活用。
学校での活用アイデアその2
先生と生徒をつなぐツールづくり。
学校での活用アイデアその3
プログラムによる計測制御×他分野との連携!
学校での活用アイデアその4
課題解決型授業のツールとして活用!
どの学校でも、「プログラミング」と聞くだけですぐに苦手意識を持ってしまう生徒がたくさんいるそう。セッションでは、アルゴリズムの基本やフローチャートからはじめる勉強ではなく、技術科であるからこその「つくる」ということに重点を置いた授業のあり方もあるのではないか?という視点で議論が白熱。「つくる」ためのモチベーションをつくる授業のアイデアがたくさん生まれました。授業案を考えたあとは、「評価」について。通知表を出し、生徒を一定の基準のもと評価しなければいけない先生方。「ひとりひとりの創造性や独創性を公平に評価することは難しい。」というある先生のひとことから議論が盛り上がりました。
生徒への「評価」はどうする!?
PEGの監修である阿部和広先生は、青山学院大学と津田塾大学で講師を務めているため、参加された先生方同様「評価」のあり方についてはいろいろと考えながら実践中。「わたしは大学で、学生同士に相互評価を行わせています。“もらった人を喜ばせる”というストーリーとゴールを授業で作り出し、最終的に生徒同士で投票・ポイントを付け合ったり、コメントしあったりするやり方を実践している」という阿部先生。CANVASで阿部先生と一緒に行うワークショップでも、よく相互評価を取り入れます。みんなで同じことをしたことで、他の人の工夫点やアイデアもよく実感できるのかとても盛り上がります。
他の先生からは、「“知識や理解を問う”ことと“独創性や個性、クリエイティビティ”をわけて評価をしたい。製作前に、ひとりひとりがコンセプトシート・プランニングシートを作成し、それに基づいた評価をしていく。でも、先生の負担が問題に。いくつかの教科との連携も必要かも?」という他の教科と連携することでより複合的な評価ができるのでは?という意見もありました。
「計測・制御のファン」
を先生の中にもっと増やしたい!
今回ご一緒した安藤先生は、もともと長い間中学校で活躍していた技術の先生。現在は大学で技術科の教員養成に携わりながら、様々な実践的な試みを続けています。そんな安藤先生に、今回のイベントを開催した思いについて伺いました。
ー今回のイベントを実施しようと思った理由やきっかけは何ですか?
ー安藤先生ご自身がこれから取り組んでいきたいことはありますか?
PEGのプロジェクトがはじまった当初、WEBサイト等を見て「待ってました!」と思ってくれたという安藤先生(!)。子供から大人までの幅広い対象や、良い意味での参加のハードルの低さ、オープンなイベントを開催できそうなところに魅力を感じていただいたそう。実際に、イベントには宮城県内各地からたくさんの先生方が集まり、研修会後のトークセッションまで多くの先生方にご参加いただきました。
「授業について情報共有・交換できる仕組みや場所がほしい」という参加された先生方の声がやはり多く、今回のイベントがそのひとつのきっかけとなり、PEGとして、その関係が継続的なものとなるようなフォローの仕組みも整えていかなければと実感しました。これからも毎日こどもたちと過ごす先生方との連携・協動を重ねながら、「学校」という現場でのより良いプログラミング学習のあり方とは何なのか、考えられる場を提供し続けたいと思います。
安藤先生が学生とともに開発した電子黒板アプリ「iTouch」。宮城県内の小学校の先生と連携をしながら、「大型ディスプレイだけど電子黒板として使いたい!」という先生の声を形にしたツール。
おわりに
PEG初めての、中学校の先生方を対象としたGATHERINGイベント。先生ならではのラズベリーパイへの視点は、勉強をさせていただくことが非常に多く、「こどもたちへ継続的な学習環境を届けていく」というPEGの活動にとても刺激になりました。今回のMIYAGI GATHERINGのあとも、いくつかの先生方との連携が続いています。ラズベリーパイをさっそく導入する予定の先生も!今後、宮城でのGATHERINGイベント第二弾の実施も予定しています。宮城でのプログラミング学習の盛り上がりにこれからもご注目ください!